☆第2章 世界のコーヒー豆
コーヒーは世界の数十ヶ国・地域で生産されていますが、消費者の方々がご存知の種類は
その中のほんの一握りです。
皆さんがご存知の表舞台に出ることができる豆は、世界で最も良質なコーヒーでもあるのです。
では、表に出て来ないコーヒー豆はどうなのかというと、先に述べたように
ブレンドの材料などに使われたりしているのです。
ただ、表に出て来られないからといって、それらが全て良質ではない、というわけではありません。
コーヒー豆の生産国は、まだまだ開発途上国が多く、
主要生産国と比べ、良質なコーヒー豆を生産しても、それを広く世界へ伝える程国力が強くないなど、
知名度・流通経路などの関係で、自国のコーヒー豆の魅力を消費者の方々にわかっていただけない、
というのも実情だと思います。
そしてもう1つ、多様な産業を持たない生産国にとっては、一次産品であるコーヒー豆が
重要な外貨収入の元であることを、大消費国である私達は理解すべきだと思います。
生産国から消費国へ輸出されるコーヒー豆は、その生産国の規格で、
輸出適格品と、規格外の国内消費品に分けられます。
輸出適格品と判断する規格は、それぞれの生産国によって異なります。
コーヒー豆は農産物ですから、品種・豆の大きさ・味・欠点豆の数などの違いで、
幾通りもの規格に分けられます。
たとえば・・・、
日本国内で、私達が小売店やスーパーで目にする野菜や果物にも、
市場へ出荷される産品と、出荷できない自家消費品があります。
また、出荷される作物も、大きさや形などでいろいろな規格に分けられます。
そして出荷された作物が、生産者である農家の方々の貴重な現金収入になります。
農家の方々は、現金収入となる作物は自家消費せずに出荷して、
手元に残った品を加工して新たな商品を作ったり、あるいは、
その地域ならではの料理などに工夫をしながら消費していらっしゃいます。
これと同じことが、同じく農産物であるコーヒー豆の生産国でも行われているのです。
世界各地で生産されたコーヒーは、生産国のそれぞれの規格にあった輸出適格品の生豆、
そしてインスタントコーヒーやコーヒーエキス等となり、私達消費国へと届けられます。
珈琲豆屋ベートーベンは小売専門店ですので、世界に数多くの良質なコーヒー豆があるものの、
扱える種類には限界があります。
常には販売していないゲイシャ種やパカス種・マラゴジッペ種・パカマラ種などの
希少な品種も、その時々で販売していきます。